「生・性・SAY~“人の性”はコミュニケーション」
【日 時】 令和元年7月8日(月)(7限目)
【講 師】 福井愛育病院 院長 鈴木秀文先生 (産婦人科医)
産婦人科医として、多くの妊娠・出産のサポートをされてきた鈴木先生。時には悲しい場面にも向き合ってこられました。そのご経験をもとに、高校生の皆さんに「今」伝えたいことをお話していただきました。その一部をご紹介します。
事前アンケートから。興味津々、リアルな質問の答えは??????
「初体験してもいい年齢は何歳ですか?」
○選挙権は18才からOK ○車の運転は18才からOK ○酒・たばこは20才からOK
では…?
性において大切なのは、お互いの異性を尊重すること。
男性は女性を、女性は男性を尊重し、相手の心や体を傷つけないようにすることが大切。
それができない人は、30才になっても40才になってもその資格はない
今日のテーマ「生・性・SAY~“人の性”はコミュニケーション」の通り、性は人生そのもの。生物的な機能が体に備わっても、心の準備ができなければ、全ての準備が整ったとは言えない。準備ができないまま、行動に移すと、予期せぬ妊娠や性感染症など体と心が傷つく結果を招くことになる。完璧な避妊方法はなく、性感染症は将来の不妊や赤ちゃんへの障害あるいは死など、後々まで悪い影響を及ぼすことがある。
今は、スマホなどの普及で、直接会わなくても、メールやSNSでコミュニケーションをとることが可能になった。しかし、性に関しては、そうはいかない。お互いの意志疎通は、直接会って話をすることが大切。人間は他の動物とは違う。会話によるコミュニケーションは性に関しても重要で、幸福な性=生をつかむ手段となる。
高校生の時期から知っておいてほしいこと
「女の子たちへ みんな大まちがいだぞ!」
・人間の寿命は延びているが、生殖可能年齢は延びていない。
「30代のうちは夫婦だけの時間を大切にして、40才になってから子どもを作る。」「仕事を続けたいから、今は結婚を考えたくない。40才になってから考える」「できなかったら、体外受精すればいい」と考えている人がいるけれど、大まちがい。年齢が上がるほど、妊娠は難しくなり、体外受精の成功率もさがるということを知っておいてほしい。アンケートでは、「将来子どもがほしい」という女子が8割近くいた。高校生の今から、この事実を知っておく必要がある。
さらに、こんな情報も提供して頂きました。
・20代の子宮頸がんが増えています。子宮頸がんはワクチン(予防接種)で防ぐことができる病気です。
欧米では、男性にもヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種が行われています。日本では、12歳から16歳までの女性は無料で実施できます。
注)学校から勧奨するものではありません。詳しくは厚生労働省ホームページ等を参照して下さい。(以下、子宮頸がんワクチンQ&A 厚生労働省ホームページより抜粋
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html
Q.子宮頸がん予防ワクチンの接種場所など、必要な情報はどこに問い合わせたらよいですか?
A.法に基づくワクチンの接種は、地域の実情に合わせて各市区町村が実施しています。お住まいの地域での実施方法や、接種の詳細などについては、お住まいの市区町村の予防接種担当課にお問い合わせください。
Q.子宮頸がん予防ワクチンは絶対に受けなければならないものですか?
A.法に基づくワクチンの接種は強制ではありませんが、一人一人が接種することで、社会全体を守るという側面があるため、対象者はワクチンを接種するよう努めなければならないとされています。
実際に予防接種を受ける際は、ワクチンの有効性とリスクを十分に理解した上で、受けるかどうかご判断ください。
「性=生」現在と将来のために重要なことをたくさん教えていただきました。
鈴木先生、ありがとうございました。